RIPT(アレルギーテスト/累積刺激、HRIPT)試験の方法・詳細

化粧品などによるIV型アレルギーの有無を累積刺激試験/アレルギーテストで確認

一度の使用で刺激性のない化粧品・日用品であっても、それらが反復使用された場合に皮膚炎などのトラブルが生じない事が確認されていなければ安心して日常的に使用することができません。化粧品などを繰り返し使用した場合の累積刺激性やアレルギーリスクをIV型アレルギー惹起の有無でテストするのがRIPT(Repeated Insult Patch Test)試験です。HRIPT(Human Repeated Insult Patch Test)とも言います。

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テストした製品は、「アレルギーテスト済み」「累積刺激テスト済み」と表記することも可能です。

試験メカニズム

皮膚吸収された物質に対して免疫細胞が応答して抗体が生成され、再びその物質が体内に侵襲してきたときに、これを有害な異物(アレルゲン)として過剰に反応、排除するメカニズムが働きます。
この反応では、哺乳類のみに低濃度で存在する糖タンパク質「免疫グロブリンE(IgE — Immunoglobulin E)」が急速に増加し、他の細胞(白血球の仲間である好酸球、Tリンパ球、肥満細胞(マスト細胞)、好中球、好塩基球など)に貯蔵されている生理活性物質を放出させます。この放出された生理活性物質の作用で、原因物質が接触した部位に水疱、紅斑、丘疹などが生じる事があります。
アレルギーが成立すると、以降は繰り返し反応が表れます。この反応には個体差があるため一次刺激性試験のパッチテストよりも数の多い被験者数で実施する必要があります。


RIPT(アレルギーテスト/累積刺激、HRIPT)試験の方法

試験は抗原を暴露し同じ抗原の再刺激に対して敏感な状態を作り出す「感作相」と免疫応答細胞が再刺激に対して反応を生じさせる「惹起相」の二つの段階を経て進められます。
化粧品などのRIPT試験で用いられる国際的な標準プロトコル では被験物質を浸したパッチを被験者に24時間貼付適用し、パッチ剥離後24時間の休薬期間を設け、再度パッチを同一個所に貼付適用します。これを3週間にわたり9回繰り返します。この9週間の感作相の終了後2週間の休薬期間を設け、その後惹起手順として被験者の感作部位以外の無処置部位に被験物質を24時間にわたり貼付暴露します。24時間後にパッチを剥離し、剥離48時間後および96時間後の皮膚の(感作)反応について観察します。この試験では被験者群における感作に関する無影響量を得ることを目的にしています。

注意点

被験物質濃度は刺激を生じさせない暴露レベルを設定し、RIPT試験で観察される反応が免疫グロブリンによる反応なのか、単なる刺激反応なのかを明確に判定します。一般に免疫反応による皮膚炎は、高い評点の紅斑反応が持続するという特徴がみられます。もし、非刺激性濃度の製品の反復暴露により刺激反応がみられた場合には、該当品の一次刺激性の再検討を行い、免疫反応か否かを見極めます。

対象

日常的に肌に触れる製品は、商品化(※)に際して累積皮膚刺激性・アレルギー反応性の有無を確認します。
(※)化粧品(スキン用、メークアップ用、リップ用、眼眉睫用、ネイル用、ファウンデーション、頭髪用)、その他の用途化粧品(日やけ止め、日やけ用、脱毛料、ひげそり用、デオドラント用、化粧紙、液含浸フェースパック)、トイレタリー品(化粧石けん、薬用石けん、洗濯石けん、工業用石けん、入浴剤、クリーニング剤、つや出し剤、家庭用合成洗剤)など。これらの原料も個別検討することもあります。


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